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業績をシンポで確認〜上田正昭さん生誕90周年で

「解放新聞」(2017.05.22-2811)

 上田正昭生誕90周年記念シンポジウム「上田正昭とアジア-民際を受け継ぐ」が4月30日、京都市・ハートピア京都でひらかれ、200人が参加した。主催は公益財団法人高麗美術館(京都市)。共催は駐大阪韓国文化院(朴英恵・院長)。

 昨年3月に亡くなった上田正昭・第2代高麗美術館館長は、日本古代史の第一人者として名高いが、部落史や部落解放運動にも大きく貢献した。高麗美術館では、企画展「上田正昭と高麗美術館」を7月17日までおこなっており、この一環で記念シンポジウムをもった。

 主催者を代表して井上満郎・館長は「上田先生は、東アジアさらには世界へ視野を広げて古代史研究を展開した。2つ目には部落史研究。部落史が市民権を得ていない段階から熱心にとりくみ、私個人として印象深いのは、部落差別の起源について人種起源説の再検討を1963年に学問的に実証的に位置づけられた。この業績は大きい。3つ目は芸能史の研究。4つ目は地域史研究。地べたに張りついた、歴史・文化に光をあてた。5つ目の渡来文化研究は、よく知られている。50歳以上だと「帰化人」と習っているだろう。それを先生は「渡来人」という言葉を学術的・学問的に提唱して業績をあげた。この5つを上田史学の柱と認識している。また、もっとも注目しなければならないことは、学問というものの社会化。象牙の塔にとどめるのではなく社会のものとして自らの研究を投げ返した。上田学問の特長だ」と、業績を紹介した。

 海の道むなかた館長の西谷正さん、京都造形芸術大学客員教授の仲尾宏さん、元共同通信社記者の藤野雅之さんが、それぞれ「上田正昭と私」をテーマに話したあと、パネルディスカッションをおこなった。

 西谷さんは、アジア史学会、仲尾さんは江戸時代における朝鮮外交に貢献した雨森芳洲を記念して建てられた東アジア交流ハウス(滋賀県長浜市)のエピソードを披露した。

 また、ユネスコの「世界の記憶」(外務省が「世界記憶遺産」を改めた)が話題になった。2016年に日韓共同で登録申請がおこなわれた「朝鮮通信使」の記録、その一部は高麗美術館が所蔵している。7月にもユネスコによる審査がおこなわれる見込みで、今後の動きが注目される。

 

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