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部落解放・人権確立社会の実現に向けた牽引役を期待する
〜部落解放・人権研究所創立50周年にあたって

「解放新聞」(2018.07.16-2867)

 世界人権宣言70周年の今年、前身の大阪部落解放研究所として1968年8月に創立された部落解放・人権研究所が創立50周年の節目を迎える。これまでの部落完全解放に向けた多大なご尽力とご協力に部落解放同盟は心から敬意と感謝の意を表するところである。

 部落解放・人権研究所の50年の歩みは、大きく5つに区分することができる。

 第1に、部落解放基本法案、差別規制法要綱案、部落差別撤廃条例大綱案、部落解放・人権啓発基本方針、日本の人権政策に関する提言などの政策提言のとりくみだ。

 第2に、『奥田家文書』『東雲新聞』『史料集明治初期被差別部落』『部落解放史 熱と光を』『資料占領期の部落問題』『大阪の部落史』『悲田院長吏文書』『朝鮮の被差別民衆-「白丁」と衡平運動』小説『神の杖』『朝鮮衡平運動史料集』など被差別民史の解明をおこなったことだ。

 第3に、市民意識調査の実施など、各種調査研究事業の研究成果をまとめた紀要『部落解放研究』の発行、『部落問題・人権事典』の発行など、部落問題の基礎研究にとりくんできたことだ。

 第4に、部落解放・人権夏期講座、部落解放・人権大学講座、人権啓発東京講座、人権・同和問題企業啓発講座、人権啓発研究集会の開催や、人権情報誌『ヒューマンライツ』の発行、視聴覚教材の制作など、啓発事業を通じた人権人材養成を展開してきた。

 第5に、国際人権規約・人種差別撤廃条約批准運動をはじめ、国際人権シンポジウム・反差別国際会議開催など、国際的な人権のとりくみをおこなってきた。

 いずれの事業も全国に先鞭をつけてとりくまれ、部落解放運動の一歩先を照らすものとなった。

 部落解放・人権研究所には、今後とも、部落解放同盟のシンクタンクとして、部落差別をはじめとする人権問題の分野で先導的役割を果たしてほしい。部落差別撤廃・人権確立社会の実現をめざすとりくみを牽引する調査・研究・政策提言活動にまい進し、部落の完全解放に向けて大きく寄与されることを期待している。

 さて、当面する部落解放運動の重要な課題は、「部落差別解消推進法」の具体化である。

 「推進法」の具体化を求めるとりくみと同時に、部落差別の解消に向け、なお残された部落差別の実態や今日的課題について、私たち自身の手で明らかにしていくことも重要である。また、「全国部落調査」復刻版出版事件やインターネット上の悪質な差別書き込み、へイトスピーチの横行など、新たな差別の実態把握と、とりくみ手法の研究も急務である。さらに「障害者差別解消法」や「ヘイトスピーチ解消法」など、他の個別人権課題のとりくみとも協働し、包括的な差別禁止法の制定や国内人権機関の創設に向けた幅広い運動をすすめていかなければならない。

 2019年にはG20サミットの大阪での開催、2020年には東京でのオリンピック・パラリンピックの開催が予定され、日本の人権政策の抜本的改革は、国際的責務でもある。

 一方、2022年は全国水平社創立100周年を迎える。近代日本で人権の旗を高らかに掲げ、部落解放の実現のために闘ってきた全国水平社の世界史的意義を明らかにするとともに、転換期を迎えた部落解放運動の活性化に向けた運動・組織のあり方や部落解放論の創造的発展への研究の開始も求められている。

 部落解放・人権研究所は、反差別国際運動や韓国の衡平運動研究者、中国の少数民族との連携にとりくむなど、国内外の研究活動をつなぐ重要な役割も果たしてきた。

 部落解放・人権研究所が部落解放と人権確立社会の実現に向けた研究機関として、ますます発展されることを心から期待するとともに、部落解放同盟はいっそうの支援をおこなっていきたい。


 

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