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「下山第2鑑定」武器に再審開始をかちとろう!
10・31狭山市民集会に結集しよう!

「解放新聞」(2018.10.01-2877)

 狭山弁護団は8月30日、下山進・吉備国際大学名誉教授が作成した万年筆のインク成分に関する鑑定書「Mini-X非破壊分析装置によるインキ成分の元素分析」(下山第2鑑定)を新証拠として東京高裁に提出した。この鑑定書は、蛍光X線分析装置を使ってインクにふくまれる成分を科学的に検査したもので、被害者のもっていたインク瓶と当日被害者が学校で書いたペン習字の文字からはクロム元素が検出されたが、石川さんの自宅カモイから発見された万年筆には、クロム元素は検出されなかった。これは石川さん宅から発見された万年筆は、被害者のものではないことを示すもので、万年筆がデッチ上げられた証拠であることを示す決定的な鑑定書だ。

 2016年8月に提出した下山第1鑑定は、事件当時の科警研のインクについての鑑定を精査し、石川さん宅で発見された万年筆には、被害者が事件当日まで使っていたジェットブルーインクは入っていなかったこと、つまり発見された万年筆は被害者のものではないことを明らかにしたが、今回提出した下山第2鑑定は、さらに追い打ちをかけるようにX線を使ってインクの元素分析をおこない、発見された万年筆は被害者のものではないことを科学的に立証した新証拠だ。

 全国の支援者のみなさん! 下山第2鑑定は、発見万年筆がデッチ上げられた証拠であること、石川さんが無実であることを100%決定づける新証拠である。狭山第3次再審は、いよいよ大詰めを迎えた。全国の支援者は、10・31市民集会に結集しよう。東京高裁にいまこそ事実調べ-再審開始を迫ろう。

 2016年10月に証拠開示された証拠のなかに、発見された万年筆を使って「数字」を書いた書類がふくまれていた。また、その後、弁護団の調査によって、被害者が使用していたインクがジェットブルーとよばれるパイロット社のインクであることがわかったことから、弁護団は下山鑑定人にインク成分の鑑定を依頼し、下山鑑定人は、Mini-Xという検査装置を使って、インクの蛍光X線分析をおこなった。蛍光X線分析とは、物質にX線をあてて、物質にふくまれる元素を分析するものである。その結果、被害者が使っていたインク瓶のインク(ジェットブルー)と、被害者が当日学校のペン習字の時間に書いたものからはクロム元素が検出されたが、石川さん宅カモイから発見された万年筆で書いた「数字」からは、クロム元素は検出されないことが明らかになった。

 この鑑定結果は、三つのことを明らかにしている。一つは、発見万年筆は被害者のものではないということだ。被害者のインク瓶やペン習字からクロム元素が検出され、発見万年筆から検出されなかったということは、発見された万年筆は被害者がもっていたものとは別のものだということをあらわしている。二つ目は、有罪判決(2審東京高裁・寺尾判決)の認定した狭山事件のストーリーが根底から崩れたということだ。寺尾判決は、学校帰りの高校生を雑木林に連れ込んで殺害し、彼女がもっていた万年筆で脅迫状を訂正し、脅迫状を届けたあと、死体を麦畑の農道に埋め、そのあと万年筆をもち帰ってカモイに隠したといってきたが、この筋書きが根底から崩れた。三つ目は、石川さんの無実がいよいよ明白になったということだ。万年筆は、石川さんの有罪の決め手とされてきた証拠である。しかし、それが被害者のものでないということは、万年筆は誰かの手で置かれた証拠であり、狭山事件はデッチ上げられたえん罪事件だということがくっきりと明らかになった。

 そもそも万年筆は事件当初からねつ造されているのではないかという疑問がもたれてきた。万年筆は、2回にわたる家宅捜索で発見されなかった。家族の証言だと天井裏から床下まで、文字通り徹底的に調べている。しかし、このときは、万年筆はおろか何も出ていない。ところが3回目の捜索で、数人の刑事がわずか24分で発見している。発見された場所はお勝手入口のカモイで、カモイは高さ175・9センチ、奥行き8・5センチしかなく、家宅捜索で見落とすとは考えられない。家族もそこを刑事が捜索しているようすを見ている。なぜ3回目に突然出てきたのか。捜索にあたった刑事自身が、のちに弁護団の質問に「万年筆が発見されたカモイは家宅捜索で調べたが、なかった」と証言している。

 また、万年筆のなかのインクが違っていた。石川さんの自宅から発見された万年筆のなかのインクと、被害者が使っていたものとは違うものだった。被害者は、インク瓶をもっていて、そのインクはこれまでライトブルーとよんでいたが、ジェットブルーというインクであることが2013年にインク瓶が証拠開示されて判明した。彼女は当日の学校のペン習字の練習でその万年筆を使っているが、そのインクにはクロム元素がふくまれていたため、クロムをふくむ当時のジェットブルーと考えられる。しかし、石川さん宅のカモイから発見された万年筆のなかのインクは、ブルーブラックで、クロムをふくむインクは入っていなかったのだ。ジェットブルーとブルーブラックでは、インクの成分が違う。そして、被害者が当日書いたペン習字のインクの成分(クロム元素)が発見万年筆には入っていなかった。万年筆のなかのインクの成分の違いは、そもそも発見された万年筆が、被害者の持ち物ではないことから発生した違いで、真相は実にシンプルだ。これを下山第1、第2鑑定がみごとに立証した。

 コンピュータによる筆跡鑑定で脅迫状と石川さんの文字は99.9%別だと立証した福江鑑定、そして今回の下山第2鑑定。証拠開示によって出てきた証拠をもとに、つぎつぎと石川さんの無実を証明する新証拠が提出された。狭山第3次再審は、本当に大詰めを迎えている。

 全国の支援者のみなさん、いまこそ東京高裁に鑑定尋問をおこなうよう迫り、再審開始を実現しよう。10・31狭山市民集会に全国から結集しよう!

 

 

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