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主張&声明

映画「獄友」の上映を全国ですすめよう!
狭山再審と冤罪をなくす司法改革を訴えよう!

(月刊「狭山差別裁判」481号)

 映画「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」を作った金聖雄監督が、袴田事件の映画「夢の間の世の中」に続いて製作したドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」が完成し、各地で上映が始まっている。金監督が狭山事件の取材で石川さんと出会い、映画を撮るなかで、足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、杉山卓男さん、袴田事件の袴田巖さんら冤罪被害者と出会い、その闘い、生き方や思いを描いたドキュメンタリーだ。「獄友」とは、同じ東京拘置所や千葉刑務所で獄中生活を余儀なくされ冤罪と闘う友という意味だ。

 狭山事件の石川一雄さん(79歳)は、冤罪におとしいれられて55年、31年7カ月の獄中生活を強いられ、仮出獄後のいまも無実を叫び、闘っている。石川さんは1審判決が死刑だった。東京拘置所では6年あまり袴田さんと近くの死刑囚房にいた。袴田巖さん(81歳)は冤罪52年、死刑囚として獄中生活48年を過ごし、静岡地裁の再審開始決定、拘置取消決定によって今はふるさとの浜松で姉の袴田秀子さん(85歳)とともに暮らすが、まだ無罪とはなっていない。再審開始決定に対して検察官が即時抗告をおこなったためだ。再審開始決定は確定せず、東京高裁でこの4年もの間審理が続いた。近く東京高裁が再審の可否を判断すると言われる。

 足利事件は2009年に再審開始、菅家利和さん(71歳)は獄中17年半、2010年に再審で無罪をかちとり、その後は狭山事件をはじめさまざまな冤罪事件の支援を続けている。布川事件は2010年に再審開始が最高裁で確定し、桜井さん、杉山さんは2011年、冤罪におとしいれられ44年目に再審無罪となった。獄中生活29年。杉山さんは無罪判決後、狭山事件の集会にも参加するなどしていたが2016年に亡くなった。桜井さん(71歳)は、多くの冤罪の支援とともに、冤罪の原因と警察、検察の責任を問う国家賠償請求裁判を闘う。

 「獄友」全員の獄中生活はあわせて155年だ。ある日突然冤罪にまきこまれ、無実を晴らすのに何十年もの時間がかかるのはなぜなのか、映画は日本の司法の闇を問うている。無実の罪で、石川さんや袴田さんは死刑判決を受けて獄中生活を余儀なくされる苦しみ、悔しさを見る人につきつける。同時に、冤罪との闘いのなかから仲間の大切さを学び、連帯して同じ冤罪を許さない闘いを続ける姿も描かれる。映画を通して、冤罪がいかに甚だしい人権侵害であるか、なぜ、冤罪が多くおきるのか、なぜ冤罪を晴らすのにこれだけ多くの時間が費やされるのか、日本社会の人権状況、司法の現状が問われている。

 検察官が証拠を隠しなかなか開示せず、裁判所がようやく再審を認めても、検察官が抗告するためにさらに多くの時間が費やされる。袴田事件だけでなく大崎事件や松橋事件、湖東病院事件などこの間裁判所が再審を認めた冤罪事件がいずれも検察官の抗告によっていまだに再審の扉が開かれていない。日本の検察官のありかたはあまりに不当だ。再審開始に対する検察官の抗告は諸外国でも認められておらず、再審における証拠開示の立法化、再審開始に対する検察官の抗告の禁止など、再審法(刑事訴訟法)の改正が急務と言わねばならない。

 映画「獄友」を通して、55年無実を叫び続ける石川さんの姿とともに、冤罪をいまも作り出し、誤りを認めようとしない日本の司法の現状を多くの市民に知らせよう。冤罪を防止し、誤った裁判から無実の人を救済するための司法改革、再審法(刑事訴訟法の一部)の改正を国会に求める運動を広げよう。


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